シャーリーズ・セロンが演じたからこそメイビスは輝く

シャーリーズ・セロンが演じたからこそメイビスは輝く

普段着はサンリオキャラクターのハローキティちゃんのTシャツを着て、パンツはジャージとすっかり楽な格好をして過ごす。そんなキティちゃんのTシャツを映画の中で着用することを主張したのは、シャーリーズ・セロン自身が「キティちゃんのTシャツを着る」と主張しました。30代のバツイチそして子供なしの独身女性を演じるにあたって、シャーリーズ・セロンが30代女性を研究した結果「30代女性の多くがキティちゃんグッツを身につけている」ということを数々目撃したからです。

大人になれないメイビス

メイビスはキティちゃんを普段着として着ていますが、ここぞ!という時には綺麗な女性としてやはりビシッと美しく決めてきます。寝起きのメイビスの時には、もうここまで女優が素顔をさらけだしていいの?!というほどのほうれい線がクッキリの姿に髪の毛もボッサボサ。もちろん目の下もクマどころかタルミが出ているので、実に37歳というお肌の曲がり角を過ぎた女性の実像になっています。

でも、そこは元ハイスクールクィーンとしての腕で、ボリュームのない薄毛を隠すためにウィッグをして、コンシーラーでシミやタルミを上手にカバーする。メイク術でみるみるうちに超綺麗な女性へと仕上がっていきます。メイクをしていくうちに、女性として私はどうよっ!というドヤ顔に変わっていくのもこの『ヤング≒アダルト』での楽しみではないでしょうか~?!

プライドが持ち味

寝起きの状態からメイクをしていく過程で、みるみるうちに美女に変貌していくメイビスを見事に演じているシャーリーズ・セロンだかこそ、この傍目には痛く映るメイビスを演じることができるのでしょう。絶対的そして圧倒的に迫力のある美人だからこそで、これがもし他の女性が演じたとしたらきっと観ていて「観てはいけないものをみてしまった。」感になってしまいます。大人になりきれない、17歳一番輝いていた私を捨てきれないメイビスを笑い飛ばすことができるのは、いったい誰でしょう~?!

以前日本の女性作家が「私はすべてを手に入れた。高学歴の夫として子供」というような内容を書いたことがありますが、確かに彼女は全てを手に入れたでしょう。地方出身で有名になりたい。このまま終わりたくないと野心をそのままにコラムニストとしても成功して、直木賞も受賞しました。そしてあんなブスと言われていましたが、高学歴の夫と結婚して子供も出産しました。その子供は有名なセレブ附属幼稚園の合格を勝ち取っていたら、それはまさに仕事の面でもプライベートの面でもまさに欲しい物すべてを手に入れた。と言ってもいいぐらいです。

仕事で頑張って結果を出して社会的な地位を獲得しても、もし独身だったら「独身のくせに」と言われて結婚して仕事を続けていると「子供は?!」と言われ、子供を出産していないとまだ女性としては一人前じゃないんじゃない?!というような不当な目に見えないプレッシャーを感じます。

そうかといって、結婚をして家庭を持ち出産することが女性としての幸せかというと、それも疑問に思えてしまいます。メイビスはどうして私がゴーストライターをしているのか?!ということに不満を感じ、仕事が行き詰っている時にメールでかつての彼氏が子供をもうけたことで、どうして?!どうして私はステキな彼がいないの?!本来ならば私こそが彼と結婚をして、出産していたはずなのに。と仕事面そしてプライベートでの満たされない思いを、そのメールを見たことで火がついてしまったのでしょう。だからこそ「バディを奪い取ってやる!!」と燃えたのです。

青春時代にチヤホヤされていたからこそ、自分中心に世界は回っているという大きな勘違いをしてしまい、そのまま時代は止ってしまっていました。だからこそ、人の意見など聞くはずもなく自己中なまま20代を過ごし、そして30代もどんどん時間は経っていきます。ちょうどメイビスの年齢は37歳という年齢が、自分が出産できるのはもうすぐリミットが近づいている。と思っているからこそ、焦りとしてなったのでしょう。

シャーリーズ・セロン主演の映画『ヤング≒アダルト』
ネタバレと37歳負け犬の深層心理
14キロの体重増して臨んだ演技でオスカーを手にしたシャーリーズ・セロンが、今回は37歳バツイチ子なしの独身女性を演じた作品が『ヤング≒アダルト』です。キティちゃんのTシャツを着て、高校時代は女王として君臨していた彼女が、ふとしたときに元彼と赤ちゃんの写真をメールで見てこんなはずじゃない!と元彼を奪うために奮闘する「イタイ女子」を熱演しています。スッピン姿からゴージャスに変わるメイクも楽しみな作品!