37歳バツイチで子なしのメイビス

37歳バツイチで子なしのメイビス

主人公のメイビスは、ハイスクール時代はまさに女子からは羨望と嫉妬の目で見られる対象でもあり男子からは羨望のまなざしで見られる誰もがメイビスの美しさを認める存在でした。それが卒業してから約20年近くなって、1度結婚はしたものの離婚して子供もなく仕事面でも大活躍ということでもなく、ゴーストライターといういわば日陰の身です。スポットライトを常に浴び続けていた高校時代とはまったく反対の生活を送っています。

メイビスは成長したのか?!

映画のラストでは、高校時代ヒエラルキー社会ではいちばん底辺にいるマットとベッドを共にします。ゲイだと勘違いされてボコボコにされて肢体不具者となったマットは、とにかくとっても良い人で高校時代にあんな目に合いながらも、優しくバディを奪い取ってやる!と息巻いているメイビスに対してその考えはおかしいと説得します。そんなマットの説得をメイビスは一切無視して、どんどん暴走しますがそれでもマットはメイビスのお酒に付き合ってあげたりとかなりの良い人ぶりを発揮しています。

結局メイビスの暴走は、バディからすげなく拒否されてしまい挙句の果てにはバディの妻からも哀れみの目で見られていたことを知り、ようやく自分の愚かさに気がつきマットの前で泣き崩れますが、そんなメイビスをマットは受け入れて2人は寝ます。これでメイビスはマットから真実の愛を知ったのか?!というと、そうではないようです・・・。彼女の気づいたことはどんなことでしょう~

時が止っているという共通点

ヒエラルキーのトップに女王として君臨していたメイビスと、ゲイだと間違われてボコボコに暴力を振るわれたマットはヒエラルキーの底辺にいました。もちろんトップの座にいたメイビスとマットの過ごしたハイスクール時代は同じ高校に通っていたとはいっても、高校生活はまったく違ったものです。マットはハイスクルー時代の女王メイビスをもちろん知っていますが、メイビスのほうは常にチヤホヤされて少しでもメイビスと仲良くなりたいと大勢の取り巻き達に囲まれた高校生活だったので、マットのことなどまったく記憶にありません。

そんなふたりがメイビスがかつての彼氏を取戻すために舞い戻ってきた故郷の町で、再会を果たしますが酒を飲んだり話をしたりしていくうえで、お互いのことを知り始めます。そしてチヤホヤされていながらも、今はどうして自分がバディの妻ではないのだろう。本来ならベスの座に私がいるはずだったのに・・・と思うメイビスと、高校時代にとっても酷い暴力を受けたことがいまだにトラウマになっている高校時代のトラウマを抱えているマット。そのふたりの共通点は「高校時代にとらわれている」ということです。

片方は暴力を振るわれて、身体的な後遺症としていやおうなしに高校時代の酷い思い出がよみがえるマット。メイビスの方はというと、常に周りにはチヤホヤされて羨望の目で見られていた輝いていた自分。2人は高校時代から時が止ってしまっていてそこから何も成長していません。

メイビスは自分が憐れみの対象者となっていたことを知って、マットに「抱いて」と一夜を共にします。ここで本当のメイビスの素の姿をマットに見せるのですが、ここでハッピーエンドで終わらないのがこの映画のポイントでもあります。

本当の自分に気がつき、そのままの「ありのままの自分」をさらけ出すことができるマットとそれから仲良く暮らしました。~THE END~ とならないのが『マイレージ・マイライフ』を撮ったジェイソン・ライトマン監督らしいところで、マットと一夜を共にした翌朝にメイビスに憧れているマットの妹から「あんたはこの町の人なんかより、断然いけてるしステキだわ」と言われたことに、すっかり気持を取り直して「私はこんな田舎町には似合わない。やっぱり私は都会で生きるのが向いている」と確信して、バディを奪い取ることはできなかったけどそれを負けとして認めるのではなく、私はこの田舎町には暮らせない女。こんな田舎に住む男とはつりあうはずがない。私は今までと同じように生きていく!というのが、メイビスが出した答えです。ちょっと本音の部分では傷ついているけれど、それをさらけ出すことはせずに、田舎町には似合わずやっぱり都会で暮らすわ。という選択をしたメイビスが、ミニ・クーパの乗ってふたたびミネアポリスへ出発するシーンで映画は終わります。

人間はそう簡単には変われないもの。自分の中にあるプライドが心の傷を隠し、そしてプライドこそがメイビスを支える支柱となっているのだろうな。と映画を観た側がそれぞれポジティブなものとして受け取ることも出来れば、やっぱりメイビスは過去にとらわれれているとネガティブ面でも受け取ることができます。映画を観てどんな感想にでもとることができるのが、この作品のユニークなところでしょう。

シャーリーズ・セロン主演の映画『ヤング≒アダルト』
ネタバレと37歳負け犬の深層心理
14キロの体重増して臨んだ演技でオスカーを手にしたシャーリーズ・セロンが、今回は37歳バツイチ子なしの独身女性を演じた作品が『ヤング≒アダルト』です。キティちゃんのTシャツを着て、高校時代は女王として君臨していた彼女が、ふとしたときに元彼と赤ちゃんの写真をメールで見てこんなはずじゃない!と元彼を奪うために奮闘する「イタイ女子」を熱演しています。スッピン姿からゴージャスに変わるメイクも楽しみな作品!